暗峠に近い
法語=福聚海無量
◆大阪府東大阪市東豊浦町一八二三 TEL072(981)8211
千三百年の昔、生駒山中に鬼の夫婦が住み、山に食物がなくなると暗越え街道で旅人たちを襲い、里に出ては人の子をつかまえ喰っていました。役行者は密教の法力をもってこれを捕らえ、仏法を説いて改心させました。行者の前で非を悔いた鬼は髪を切り、行者に従いました。そしてその場に一堂を建立したのが慈光寺であるという開基についての伝承があります。髪切山の山号の由来でもあります。
古い樹木のかおりが心地よい苔むした境内の石段を上り切ったところ正面に開山堂があります。ここには天文十八年(一五四九)の墨書のある板絵千手観音像が安置されています。傷みやすい板絵のため、大切な行事のとき以外は残念ながら拝観できません。
大阪府指定有形文化財
山門を入ってすぐ左手に鐘楼があります。この銅鐘は正応五年(一二九二)鋳造のもの。板絵千手観音とともに大阪府有形文化財に指定。この鐘で「除夜の鐘」を鳴らせば、趣もひとしおでしょう。
開山堂に向かって左奥にあるのが本堂で、当寺本尊の大日如来が祀られています。