暮らしを守る
法語=諸悪莫作 諸善奉行
◆大阪府八尾市久宝寺三ー四ー二五 TEL072(991)2156
平野の大念佛寺の末寺で、一三四一年念佛寺として僧盤龍上人によって創建されました。もともと久宝寺の末院であったというこの寺には、鎌倉時代末頃の作といわれる十一面観音菩薩がありますが、これは許麻神社の宮寺であった観音院の本尊として祀られていたものです。
本堂となりには滝谷不動の流れをくむ不動堂があり眼病平癒の霊像として信仰されています。久宝寺寺内町のほぼ中央に位置し、向かいには八尾市まちなみセンターがあります。
聖徳太子が物部守屋への戦勝を祈願して建立した四十六仏閣中の二十二番目の久宝寺は、七堂伽藍の大寺で、当時は河内国の仏法の中心であったと伝えられています。その久宝寺が後年、松永弾正の兵乱や慶長の兵火に遭い、本堂などすべてを焼失。
その際に寺僧が太子の作と伝えられる本尊の十一面観音像を助け出し、伊賀の国へおちて行きました。その後もこの観音さまは伊賀、近江の国々を流転します。時代が過ぎてようやく久宝寺村へもどり、許麻神社の境内に建てられた小堂に祀られました。
これが久宝寺観音院ですが、この宮寺も明治の廃仏毀釈により廃寺となり、またもや観音さまは布施高井田の長栄寺にあずけられます。しかし村人たちのたっての願いで明治四十二年に、昔の久宝寺の末院と伝えられる念佛寺へお迎えし、宗派に関係なく厚く信仰されて今日にいたっています。