黄檗宗ならではの
法語=平常心是道
◆大阪府東大阪市日下町八ー三ー五七 072(981)5817
石切駅から参道の賑わいを背に、北へ緩やかな坂道を一キロほど下ると、田畑越しに雄大な大龍寺の屋根が見えてきます。生駒山系の中腹に位置し、黄檗山万福寺末寺としての伽藍配置と様式をよくとどめていることから、仏殿、斎堂、総門、開山堂は東大阪市の文化財に指定されています。
季節の花々が美しく、深い緑を背景にした唐様建築、黄檗様式の風格ある建物が印象的。そして禅寺ならではの鳴り物―諸事の合図に鳴らされる「魚邦」と、雲の形をしていることから「雲版」と呼ばれるものが目を惹きます。魚邦は主に食事の合図に鳴らされ、斎堂に掛かっているもの。雲版は儀式、法要に用いられ、本来本堂にあるものだそうです。俗に「日下のかんのん」として崇拝されてきた十一面観音は、仏殿の本尊脇に安置されています。
大龍寺は元禄四年(一六九二)大阪の豪商天王寺屋吉兵衛の寄進により建立され、泰宗元雄禅師がその師である慧極道明禅師を開祖に招き、開山しました。開山堂には、泰宗、慧極と檀越の天王寺屋浄悦居士の像が祀られています。